学資保険の元本割れ

学資保険が元本割れしたケースで,元本割れした分を返還する和解が成立したようです。

朝日新聞デジタルによると,「子どもの教育資金をためる「子ども保険(学資保険)」で、支払った保険料よりも受け取る額が少ない「元本割れ」が起きたとして、大阪府に住む男性(51)が元本割れした分を返すよう求めた訴訟が大阪高裁であり、今月、和解が成立した。元本割れ分の返還を高裁が勧告し、保険会社が受け入れた。」とのことです。

返還の根拠は説明義務違反のようですね。

学資保険が元本割れした損害に対する救済として貴重な先例です。

この報道を受けて,他に損害を受けた方々が同様の訴訟を提起する可能性はありますが,他の案件も全て同じような解決が可能かというと,必ずしもそうとは言い切れません。

なぜなら,説明義務違反を根拠にする場合,返還を請求する側が,これを立証する必要があるからです。

「立証する必要がある」とは,立証できなければ敗訴するという意味です。

具体的には,①当該事案において,保険会社が何をどこまで説明すべきか,②その説明を怠ったことの2点を主張立証する必要があります。

①の部分は主に依頼した弁護士が,依頼者から事情を聞き取り,考えていく部分でしょう。

②については,専ら,依頼者の手元にどれだけの資料が残っているか,依頼者の記憶がどれだけ明確かにかかってきます。

学資保険の元本割れ分について返還を求めようとお考えの方,または,これから学資保険に加入しようと考える方は,以下の資料を保管し,また,できるだけ詳細なメモを作成しておくことをお勧めします。

①担当者の名刺,②パンフレット,担当者からもらった説明資料,その他,説明を受ける際に保険会社から配布された全ての資料,③担当者と面談した日時,そのときの説明内容を記載したメモ,④担当者と電話で話をした場合には,その日時,そのときの説明内容のメモ

訴訟となった場合には,当然ながら,相手方は「説明を尽くした。説明義務違反はない」と主張してきます。

そして,「何月何日に顧客を訪問し,このような説明をした。何月何日に電話をし,このような説明をした」と詳細に主張してくることが予想されます。

当方はこれに対して明確に反論し,その反論を裏付ける証拠を提出する必要があるのです。

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